
頭痛は、片頭痛、緊張型頭痛、群発性頭痛などの一次性頭痛と脳出血や脳腫瘍など別の病気に伴い出現する二次性頭痛に分けられます。
分類
片頭痛
月に1~2回の頻度。ズキズキする痛みで側頭部に起こる。
緊張型頭痛
週に2~3回の頻度。重く締め付けられるような痛み。
群発性頭痛
ある時に集中して起こり、眼の奥がえぐられるような痛み。
原因
片頭痛
脳の血管が急激に拡張したことにより起こります。例えば、ストレスから解放される週末や、寝すぎが原因となることも。その他に、寝不足や女性ホルモンの変動、疲労などでも起こります。
緊張型頭痛
首、肩、頭の筋肉が緊張することで血管が圧迫され血流が阻害され頭痛を引き起こします。
群発性頭痛
はっきりとした原因は不明ですが、飲酒、喫煙、気圧の変化などが誘因となり起こります。
東洋医学的な見方
様々な疾病に伴い生じる症状で、その原因は外感邪気である風・寒・暑・湿・燥・火の6種類の邪気が体内に侵入することや、臓腑の内傷である肝鬱化火・肝陽上亢・腎精虧虚・脾虚生痰・経絡運行失調などがあります。頭痛の弁証においては、外感性か内傷性かの鑑別が重要になります。外感頭痛の治療原則は去風散邪になります。内傷頭痛は補虚を主とし、化痰や活血などの治法を兼用します。
外感頭痛
頭痛が持続して止まらない・発病は比較的急激であり、外感病でみられるその他の症状も伴う。風寒頭痛・風熱頭痛・風湿頭痛・太陽頭痛・陽明頭痛・少陽頭痛・厥陰頭痛などに分類されます。
内傷頭痛
臓腑機能の失調や気血不足、痰湿瘀滞が原因で起こる。特徴としては発病が緩慢で頭痛は時に起こり時に消え、臓腑機能の失調を意味する症状を伴う。肝陽頭痛・腎虚頭痛・血虚頭痛・痰濁頭痛・瘀血頭痛などに分類されます。
肝陽頭痛 めまいを伴う頭痛・頭痛の多くはこめかみや頭頂部に起こる・煩躁して怒りやすい・熟睡できない・顔面紅潮・口苦・脇肋腫痛・苔薄黄・弦脈。本病証は、情志不暢により肝の疏泄が失調し、肝陽が上亢することで起こります。治療は平肝潜陽を主法とします。
腎虚頭痛 腎虚により髄海が不足することで起こ頭痛です。空虚感を伴う頭痛、めまいがして目が眩む・耳鳴り・腰膝がだるく力が入らない・男性では遺精・女性では帯下・舌紅・脈細数。治療は滋補腎陰を主法とします。
血虚頭痛 血虚により頭部の栄養供給ができなくなり起こります。頭が綿々と痛む・めまいがして目がかすむ・顔面晄白・だるい・舌淡白・脈細弱。治療は補血養血を主法とします。
痰濁頭痛 痰濁が昇って清竅を覆い迷わすことによって起こる頭痛病証。頭痛に伴って頭がぼうっとする・頭部の沈重感・頬部満悶・胃脘がつまる・悪心・痰涎を嘔吐する・苔白膩・脈滑または弦滑脈。治療は化痰去湿・降逆熄風を主法とします。
瘀血頭痛 頭部の外傷や、長期にわたる頭痛が絡に及ぶことによって、瘀血が停滞して起こる。頭痛が長期に治らない・針で刺すような痛み・疼痛部位は固定され移動しない・顔面は黒ずんで暗い・舌質は紫で瘀点がある・苔薄白・脈細渋。治療は活血化瘀を主法とします。