防己黄耆湯【ぼういおうぎとう】

脾虚による水分代謝の異常を改善し、自汗、浮腫をなくし、また尿の出をよくします(腱脾利水・益気去風)。

◎主な証型

脾虚水氾、衛気不固に対して用います。

脾は気血化生の源であり、肌肉をつかさどり、肺は気・皮毛をつかさどると言われています。脾虚で生化が不足すると肺も虚し、皮毛、肌肉の衛気も不足して防衛機能が低下し、風邪の侵襲を受けやすくなります。風邪が体内に入り衛気が邪と戦って消耗すると、気の固摂作用がより低下し、津液が漏れ出てしまう(自汗)。また、脾虚のために水湿の運化が低下し、肺虚によって水の巡りが悪くなるために、体内に水湿が停滞するようになる。水湿が停滞し水の巡りが悪いので、尿量は減少し、浮腫を生じ、肌肉に水湿があるため、体が重ダルイなどの症状がみられた時に用います。

☆☆　成　分　☆☆

黄耆：補気固表　消火器系の働きを強化し、体表部の抵抗力を高めます。

防己：去風行水　風証を除き、水分の巡りをよくします。

白朮：補気利水　水分代謝をよくし、健脾作用があります。

生姜：辛温解表　健胃、鎮吐作用があります。

炙甘草：補気腱脾　元気をつけ、諸薬を調和させます。

大棗：補気　健胃、営気を補う作用があります。