桂枝茯苓丸【けいしぶくりゅうがん】

月経不順や月経痛などの婦人家系の障害を治すための処方。骨盤内の炎症を緩解させうっ血をとり、子宮機能を調整します。子宮筋腫の初期にしばしば優れた効果があり、腫塊の消失も見ることもあります。なお、本方は骨盤内に限らず全身のうっ血状態を改善する効果があるため、男女問わず一般的に血瘀に使用します。

◎主な証型

下腹部の痛みや、圧痛抵抗や腫瘤、月経不順、月経困難、不正性器出血などで、足の冷え、頭ののぼせ、頭痛、肩こりなどの症状に使用します。

☆☆　成　分　☆☆

桃仁：破血去瘀　瘀血による腫瘤を縮小させる働きがあります。

牡丹皮：清熱涼血・活血去瘀　炎症による充血や出血に使い、桂枝と一緒に用いると活血去　　　　　　　　　　　　　　瘀の作用が強まります。子宮機能を改善させる作用がありま　　　　　　　　　　　　　　す。

赤芍：清熱涼血・活血去瘀　子宮筋の調整に働き、血管を広げ、血液の塊を分解吸収し、血　　　　　　　　　　　　　液循環を改善します。

茯苓：安神・利水　鎮静し動悸をしずめ、さらに消化管や組織の余分な水分を血中に引き込　　　　　　　　　み利尿します。

桂枝：辛温解表　体を温め解表し、健胃、鎮痛作用があります。