麦門冬湯

麦門冬湯【ばくもんとうどう】

肺、胃の陰虚(体液不足)に気虚の症状が加わった場合に用います。津液(体液)を補うことによって、咽頭の乾燥、咳嗽をおさえ、胃をはじめとした消火器系の働きを改善します。

◎主な証型

乾咳、せき込んでなかなか止まらない咳、口や咽の乾燥感、刺激感、無痰あるいは少量で粘りっこい痰(ときに血が混じる)、しわがれ声、夜間悪化することが多いなどの肺陰虚の症状と、息切れ、疲れやすいなどの気虚の症状がみられるとき。

軽い熱感をともなったみぞおちの痛み、みぞおちの張りやつかえ感、空腹感はあるが飲食物が入らない、吐き気をもよおすが吐物は出ない、口や舌、咽の乾燥感、便が乾燥して便秘しがちなどの胃陰虚の症状と、元気がない、疲れやすい、息切れなどの気虚の症状がみられるとき(胃気陰両虚証)。

☆☆ 成 分 ☆☆

麦門冬:生津潤燥 津液を補い、気道や胃の粘膜を潤します。

人参:補中益気 消化器系の働きを強化します。

粳米:補陽脾胃 栄養分を多く含み、脾胃の働きを強めます。

大棗:補気 元気をつけ、諸薬を調和させます。

半夏:運化寒痰 水分の代謝を高めます。

炙甘草:諸薬調和 諸薬を調和させます。