六君子湯

六君子湯【りっくんしとう】

気の働きが不足した気虚を改善する処方。四君子湯は人参、白朮、茯苓、炙甘草を組み合わせた処方で、それに陳皮、半夏を加えたのが六君子湯です。胃腸の働きを強め、消化吸収を促進することで全身の体力をつけます。「脾は気血生化の源」といわれるように、気虚にはまず胃腸の働きを強めることが基本になります。六君子湯は質を取り除く目的で陳皮、半夏が加えられています。

◎主な証型

元気がない、疲れやすい、食欲不振、軟便などの脾胃気虚の症状に、口の中が粘る、悪心、嘔吐腹部膨満、腹痛、下痢などの痰湿、気滞の症状が加わった場合に用います。舌質は淡白で胖大、舌苔は白厚膩、脈は微弱

☆☆ 成 分 ☆☆

人参:補中益気 消化器系の働きを強化します。

白朮:補気利湿 元気をつけ、消化吸収作用、利尿作用を高めます。

茯苓:利水滲湿 水分代謝をよくし、健脾作用があります。

大棗:補気 元気をつけ、諸薬を調和させます。

陳皮:理気燥湿 消火器系の働きを正常にして、湿をとります。

半夏:燥湿去痰 痰の生成を抑え、水分の代謝を高めます。