釣藤散

釣藤散【ちょうとうさん】

消化吸収の働きを改善して吸収力を高め、全身の元気をつけ、水分の吸収や排泄を改善する作用を補気腱脾、化痰といいます。同時に頭部や顔面部、脳の充血をとり、自律神経系の興奮をしずめ、目の充血や筋肉のけいれんをとり、血圧を降下させるなどの作用があります。このような作用を平肝潜陽といいます。また、瞳孔や目のレンズを調整する筋の緊張をとり、視力を改善する作用があり、これを明目の効能といいます。

◎主な証型

頭のふらつき、めまい感、頭痛、耳鳴り、目の充血、目のかすみ、イライラ、眠りが浅い、手足のふるえるなどの症状を肝陽化風といい、それに、食欲不振、元気がない、疲れる、悪心、嘔吐、咳嗽、腹が張るなどの脾気虚や痰湿の症状をともなうときに使用します。舌質はやや紅、舌苔は膩苔。本方は肝陽化風に脾気虚をともなうものに用います。

☆☆ 成 分 ☆☆

釣藤鈎:平肝止痙 鎮静、鎮痙、降圧に働き、顔面部の充血をとり交感神経の興奮をしずめ         て筋のけいれんやふるえを止めます。 

菊花:平肝潜陽・明目 目の充血や頭痛をやわらげ、瞳孔やレンズを調整する筋肉の緊張を           緩めます。

防風:辛温解表 発汗作用、解熱作用、抗菌作用

石膏:精熱瀉火 鎮静・鎮痙・消炎・解毒作用

党参:麦門冬:生津潤燥 津液を補い、気道や胃の粘膜を潤します。

茯苓:安神・利水 鎮静し動悸をしずめ、さらに消化管や組織の余分な水分を血中に引き込         み利尿します。

半夏:運化寒痰 水分の代謝を高めます。

陳皮:理気燥湿 消火器系の働きを正常にして、湿をとります。

炙甘草:補気 元気をつけ、鎮痙作用があり、諸薬を調和させます。

生姜:辛温解表 健胃、鎮吐作用があります。