十全大補湯【じゅうぜんだいほとう】
血液を増やし、内臓の働きを強めて元気をつけ、さらに体を温めて冷えをとる処方です(気血双補・去寒)。この処方は、貧血や虚弱体質の改善、病気によって低下した体力の回復などの目的で、幅広く使用できます。
◎主な証型
元気がない、疲れやすい、倦怠無力感、食欲不振、軟便か泥状便などの気虚の症状と、顔色が悪い、皮膚にツヤがない、頭がふらつく、四肢のしびれ感、月経が遅れる、経血量が少ないなどの血虚の症状がある気血両虚の場合に用います。また、このようなときは、しばしば寒がる、四肢が冷えるなどの虚寒(陽虚)の症状をともないます。舌質は淡白で胖大、脈は沈細弱。
☆☆ 成 分 ☆☆
白朮:補気腱脾 元気をつけ、消化吸収作用、利尿作用を高めます。
茯苓:利水滲湿 水分代謝をよくし、健脾作用があります。
炙甘草:補気腱脾 元気をつけ、諸薬を調和させます。
熟地黄:滋陰補血 血と津液を増やします。
当帰:補血活血 造血し、潤腸通便します。
川芎:行気活血 血行を促し、鎮痛と発散を促進します
百芍:補血斂陰 増血し、体液を増します。
黄耆:補気固表 消火器系の働きを強化し、体表部の抵抗力を高めます。
肉桂:温中補陽 体を温め、冷えをとります。